アラハンコンパ8th

  • 活動日:2020/10/31
  • 参加者:Joji Ikeda,Kazuto Goto
  • 目 的:アルパイン実践、御礼参り

アラハンコンパ8thは、前回に引き続き南さつま市の磯間嶽。10月3日に岩稜コースより挑んだものの時間切れで登頂を断念し、泣く泣く下山した曰く付きの山ですが、リーダーが再び、宮崎市より片道170kmの遠征を引き受けて下さったおかげでリベンジの機会を得ることができました。

 前回は日没に加えて、登り口から6kmも離れた正反対の登山口へ緊急下山した影響により携帯圏外、現在地不明、ライトなしなど事実上の遭難状態となってしまいましたが、南さつま市在住の写真仲間がレスキューに駆け付けて下さったお陰で車を置いた登山口までの送迎が実現!お世話になったH氏への御礼参りも、密かにスケジュールに組み込みます。

 朝4:30に自宅を出発し、06:00に前回緊急下山した上津貫登山口へ到着。暗闇の中で全集中の呼吸(笑)を行うと身体中に酸素が行き渡るかのような爽快感で、これからの冒険を思うと気分が高揚してきます。Tシャツとフリースジャケットでは体が冷えてきたので、発売したばかりのLOGOS野電あったかパッドをスイッチオン。電気あんかとランタン、モバイルバッテリーを兼ねたタブレットサイズのガジェットですが、運転席で首の下に置くと数分でジワリと暖まり、心地よすぎて二度寝しそう。

 ここから頂上岩峰の取り付きまでは30分程度で登れるため、今日こそはアラハンコンパ始まって以来初の午前中撤収も目論みつつ、06:40に到着したリーダーと合流後07:20に登山開始、08:00には取り付きに着いてしまいました。1mほどの高さから鎖が設けられ、はるか20mほどの高さまで垂直に伸び、5mほどトラバース(斜行)した後、さらに5m上がる、頂上まで合計30mほどの鎖場。鹿児島随一の本格的アルパインルートと言っても過言ではなく、鎖場の練習には打って付けのポイントと思われます。

 思えば昨年、大分の由布岳西峰で経験した初の鎖場トラバースが、ビレイ(確保)なしでのソロ登山という無謀ぶりで、恐怖で立ち往生しながらも後続女性の無言のプレッシャーで無理やり成し遂げ、二度と行きたくないと思うほど。ふうっと意識が遠くなり手足が震える高所恐怖症特有の症状を克服するべく、本日もリーダーによるビレイ&ロープワーク講座が行われ、実技たっぷり1時間ほど教わります。

 まずはリーダーと自分がザイルパートナーとして、30mザイル(ロープ)でお互いのハーネスを、ダブルエイトノットとダブルフィッシャーマンズノットで結びます。支点を取れる場所(鎖の中継点など)まで一人が登ったら、最初にカラビナとリンクアンカーシステムでセルフビレイ(最低限の命綱)を行い、次にカラビナとスリングでロープを支える支点を確保。自分のハーネスに結ばれたロープをクローブヒッチ(インクノット)でカラビナに結び、確保器へロープを通してクライマーの安全を確保。これを二人で交互に行うことにより、クライマーとビレイヤー双方の役割を担えます。前回まではリーダーのビレイに身を委ねるだけでしたが、今回はリーダーの命綱も預かる立場。付け焼き刃であったとしても、真剣に確実に取り組まざるを得ません。

 ここまで体験して初めて、形状の異なるカラビナの用途や組み合わせ、必要本数などが理解できるようになり、崖っぷちにスリング一本でぶら下りながら確実にビレイを据える作業も怖がるどころでなく、真剣に打ち込めるように。薄々気付いてはいましたが、高所恐怖症が発動する要件とは、予想を超えた高度感であったり、命綱がない時の滑落イメージによる恐怖、足場が崩れたり手がかりが滑ったりなどのイレギュラーなど。つまり物理的に二重三重に安全が確保されていれば大丈夫だと思い込む事ができ、登攀に集中できるという理屈かもしれません。

 相変わらず硬い岩盤に加えて、意図的に彫られたような足場も数多く見つけられたため、鎖の使用は最小限に留めて登攀を試みます。まずはリーダーが第一支点までビレイ無しで登り、リーダーのビレイで自分が登攀。次に自分がそのまま第二支点まで登り、リーダーをビレイ。慣れてくれば一応手順通りに設備を組めるようになりますが、コレを標高3000mでやれるかどうかは全く自信がありません。トラバースも足場が悪かったものの、樹木のおかげで高度感は皆無。ちょっとしたアスレチック気分でクリアし、最後の5m直登は鎖に頼らず、力を振り絞ってボルダリングで体を持ち上げます。前回ドローンで確認した頂上のシンボルである白い標柱を視認した時は、心からホッとしました。

 結局のところ由布岳の恐怖とは、安全対策の知識がないまま徒手空拳で挑んだ結果であり、今回のように熟練者のサポートがあれば、よほどのことがないかぎり登攀に集中できます。鎖場を難なく乗り切るシーンを映像に残すべく、ヘルメットとGoProのヘッドマウントを導入して視線を記録することに成功したのですが、正直おぼつかない操作ぶりで、ロープの結び間違いやカラビナ落下、カラビナのロック忘れにグローブ落下など散々やらかしつつも致命的なミスは避けられ、事故に至らなかった結果はギリギリ及第点。しかし下りのトラバースではセルフビレイを怠り、鎖のたるみで指の負担が増大、全身から冷や汗が噴き出て手が滑り、慌てて肘を鎖に巻いて体勢を整えましたが、セルフビレイと手袋装着で避けられたミス。挙動全てが、命懸けの勉強でした。

 リーダーはビレイ無しで難なく登頂に成功し、11時に早めのランチタイム。気温が下がるにつれて食欲が増す昨今ですが、出発前に巻き寿司一本、取り付きで菓子パンとドライフルーツを食べたにも関わらず、頂上ではおにぎり弁当とカルボナーラをペロリ。初めてのJETBOILは着火器で火が付かずリーダーからライターをお借りしましたが、次回からライターも必携と知りました。頂上は秋晴れの穏やかな雰囲気で、食事中にお二人のパーティーが登頂。おそらく10名が限度と思われる狭い頂でしたが、過密することもなく昼寝や空撮を楽しみます。最高点の岩は直径1mほどで、落ちたら200m下で御陀仏の処刑台みたいな場所でしたが、四つん這いで登り、震える足を我慢して立ち上がり、辛うじて写真を撮ってもらいました。そこでドローン飛ばせやと言われそうですが、ここで操縦したら方向と平衡感覚を失って確実に御陀仏(しつこい)。

 ひとしきり遊んだ所で下山開始。鎖場は下りが危険が定説ですが、コツとしてはなるべく腕を伸ばして崖から体を離し、下方視野を確保して足場を見つけ、確実に重力移動すること。前回はウエストバッグが挙動の邪魔になりましたが、今回LOGOSで調達したワンショルダーバッグの配置を工夫する事で視界を確保。サブバッグは持たない事が理想ではありますが、デジカメの取り回しには最適でした。ちなみにこのショルダーバッグは、春に鹿児島のLOGOSショップで一目惚れしたものの、一万円に迫るお値段で泣く泣く諦めた経緯がありましたが、秋のワゴンセールで、まさかの半値投げ売りでゲット!今年は欲しいものは全て、手に入ったような気がします。

 また今回はデジタル一眼レフカメラの修理が間に合わなかったので、初めてコンパクトカメラのみ持参。不安どころかより気軽にシャッターを押せるようになり、記念撮影用に調達した三脚とポール、雲台とブラケットも大活躍!登山携行品としてはほぼ極めた感がありました。ドローンも上手いこと撮るには、後進しながらカメラの角度を上げるなど二つ以上の操作を同時に行わねば画角に収まらない事に気づき始め、その辺りを意識して操作しました。稀にドローン越しの画面でも高所恐怖症が発動するので、なかなか完治は難しそうです。

 13:30に下山が完了し、次は南さつま市の前田鮮魚へ。既にお店は閉まっていましたが、メッセンジャーで呼び出すとバイク分解中のH氏がすぐに出てきて下さいました。前回のレスキューに改めて感謝しつつ、地鶏と焼酎のダレやめセットを贈呈。お返しに大好きな玉子入りのさつま揚げを頂いてしまい却って恐縮しましたが、写真や山の話で1時間以上盛り上がって、楽しい幕引きとなりました。

 例により自宅まで残り10分の地点で睡魔に負け、コンビニで仮眠後の帰宅となりましたが、翌日は家族でカレーを食べに行ったり息子と温泉行ったりで、フォローもバッチリ。今回も水2Lとアクエリアス1L携行しましたがほとんど飲まず、汗もちょろっとかいただけでしたので、やはり登山には最適のシーズンだと思いました。股擦れ対策にユニクロのエアリズムボクサーパンツを導入しましたが、収まり(笑)が抜群でこちらもいい仕事ぶり。南九州登山隊での最後の登山を、最高の思い出で締め括る事ができました。

 意味深な締めではございますが、転勤や転居の件など具体的に決まったら、そのうちご説明します。身辺整理が忙しくなるので、登山や撮影は控えることになります。さようなら九州!?

Joji Ikeda

この記事を書いた人:

プロフィール

2003年に個人事業を開業。

出来ること

パソコン・ネットワーク環境構築、保守等
プロフィールおよびロケ撮影等(写真・動画・空撮)
アウトドアレジャー体験等

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